更新情報

2017-09-28 16:40:00

 

【UAEの首都は“ドバイ”ではなく“アブダビ”】

 アラブ首長国連邦(UAE:United Arab Emirates)は、アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジュマン、ウンム・アル・カイワイン、フジャイラ、ラス・アル・ハイマの7つの首長国から構成された連邦国家。
 
 首都アブダビはUAE全体面積の約80%の広さを誇り、石油、天然ガスともに世界第7位(出典:国際統計格付センター)の埋蔵量を誇るUAEにおいて、その約94%をアブダビが占めている。広大な国土に埋蔵された天然資源によって政治と経済を支え、名目GDPはUAE全体の66.7%(出典:JETROアブダビ・ドバイスタイル)と、UAEを力強くけん引している。
 
 対して観光(宿泊客数、国際線旅客数など)や小売においてはドバイが首都アブダビを上回る。UAE全体の小売業売上において55~65%を占め、ドバイは高級ブランドの出店数がロンドンに次いで多く、世界で2番目に人気のショッピングスポット。ちなみに、ドバイの名目GDPは、UAE全体の24.4%(出典:同上)で、この2首長国で国全体のGDPの90%を超える。

 

【ドバイショックの功績】

 絶対君主制の王族社会UAEの中でも圧倒的影響力を有する首都アブダビ・ナヒヤーン家にとって、近年急速な発展を遂げるドバイ・マクトゥーム家は、その地位を脅かす存在となりつつあった。王族社会にとってトップが入れ替わることは、国家全体のバランスを崩し国家波乱の要因となる可能性があった。
 
 しかし、2009年11月25日に勃発したドバイショックの窮地を救ったのが、そのアブダビだった。金融破綻の瀬戸際でドバイ政府の要請を受けたアブダビ政府は、UAE中央銀行を通じて100億USドルの金融支援を実施し事態を沈静化させた。そして、危機を脱したドバイはすでに決まっていた世界一高いビルの名前を「ブルジュ・ドバイ」から「ブルジュ・ハリファ」に変更し、アブダビ首長の名ハリファを冠することでその恩に報いた。
 
 これにより、アブダビのドバイに対する優位性が疑問の余地のない形で確定された。UAEの2トップである首長国間の摩擦の源を断ったという意味において、このドバイショックには非常に大きなプラス要素があったといえる。